
前置き
インターネット大会「トリックマジック」に参加した。ルールはゴーストタイプ(禁止級ポケモンを除く)しか出場できないシングル63。通常ルール同様テラスタルありで、これが色々良かったり良くなかったりする。
結果は30勝11敗、最終レート1743で139位。2桁ボーダーは1759とあと一歩だったが、構築的に限界も感じていたので妥当な結果だと思う。むしろ初参加でよくここまで来れたなと自分では驚いている。順位的にはさほどでもないが、1週間頑張って考えた構築なので、是非見ていってもらえると嬉しい。

環境考察
・サイクルがどう考えても不可能なので、基本対面構築ばかり、稀に展開系(トリル、どくびし、バトン)がいる程度と予想
・ゾロアークとノマテラが間違いなく鍵になるので、ゴースト技を打つターンは極力減らすべき
・事前の仲間大会でスカーフどくびしゲンガー+まもしばヤミラミ+タラプソウブレイズが結果を残していたので、最低限これには勝ちたい
本番の使用率はこんな感じ。仲間大会ではゾロアーク>ミミッキュ>カミだった。

構築経緯
並びはこう

構築の方針を決めるにあたって、まずバトンは挑発呪いが多すぎて無理、どくびしは一度結果を出してしまったのでメタられる&ミラーが怖い。トリルもやるなら多分イダイトウにはなるが、これも上手い人は確実に止めてくるだろうと考え却下。無難に対面構築でいくことにした。
手始めに、初手置きされやすそうなゾロアーク・ミミッキュ・ハバタクカミ・ドラパルト辺りに勝てる初手要員として弱保ソウブレイズを起用。次に対面構築ということで脳死ゾロアーク・ミミッキュ。ゲンガー始動どくびし展開への駒としてスカーフレイスポス。ここまでだと雑にテラス切って積んでくるサーフゴーがきついので、対策としてものまねハーブサーフゴー。
ラスト1体が一向に決まらず、練習ではとりあえず鋼テラスドラパルトにしていたが全く出さなかったため、サマヨールで瞑想眠るするかとか、ラウドボーンで鉢巻ヒートスタンプ強いんじゃないかとか、他にもロゼルメタバヤミラミやらイバンコノヨザルなどの案が浮上しては消えていった。最終的に悪複合組と悪テラドラパルトがきついということで、このルールで2体しかいないフェアリーのもう一角・ハバタクカミを添えて構築を完成とした。
個別解説
採用順に解説。

ソウブレイズ@じゃくてんほけん
テラスタイプ:ノーマル
くだけるよろい
つるぎのまい/かげうち/つじぎり/むねんのつるぎ
いじっぱりH148 A76 B252 D4 S28(169-170-132-*-121-109)
配分意図
・HB
152ポルターガイスト15/16耐え
172鉢巻ドラゴンアロー耐え
一致イカサマ耐え
・HD
187シャドーボール耐え
C178までのムーンフォース+シャドーボールを、B107ハバタクカミに対するむねんのつるぎの回復量込みで耐え
・A
+2むねんのつるぎで160-107までのハバタクカミを1発
+2つじぎりで182-101ソウブレイズを14/16で落とす
+4つじぎりで182-101ソウブレイズ(B+1)を15/16で落とす
・S
+2で最速ドラパルト+5
+1で最速ミミッキュ+1
ゾロアーク択とノマテラ択に付き合わないことがテーマのポケモン。適当な霊技悪技で弱保を発動させ、一貫性の高いむねんのつるぎでねじ伏せる。無念の回復が偉く、上記カミのように半減技で弱保をかわそうとする動きを咎められるほか、ゾロアークの叩き+B下降影打ちを回復込みで耐えるなどの芸当が可能。鎧が発動していればそのまま抜きエースになることもでき、しなくても+2影で後続にプレッシャーをかけられる。
テラスはノーマル。鎧が発動してから切ることで、自身が上からのノマテラ択を押し付ける立場になれる。
辻斬りはドラパルト・ソウブレイズへの打点で、諸々のノマテラに対しても安定択となる。ソウブレイズ対面は剣の舞から入ってビルド連打を躊躇させ、影を撃たせて返しの+4辻斬りで吹き飛ばす。ノマテラかB厚い個体に耐えられても、鎧でSが逆転しているのでノマテラを切ればもう1回殴れる。最悪急所当てればいい。
耐久値は物理特殊ともにASガブリアスより若干高いぐらい。逆に言えば無振りでこの耐久を実現できるガブリアスがいかにやばいかわかる。Sは最初108でドラパルト+3にしていたところ、練習でコノヨザルにじならしを受けたあと裏からミミッキュが出てくる展開が一度発生し、同速を避けるべくラインを引き上げた。実際同じ流れが本番でも起きたので大正解。152ポルターガイストとかいうヤンキー行動を食らう場面はついぞなかったが、無駄に高いBが活きること自体は何度もあったので良し。
安定の初手要員というコンセプト通り、先発したほとんどの試合で初手対面に打ち勝つことができ、鎧発動時は2タテ3タテも幾度となくかましてくれた最強エース。

ゾロアーク@きあいのタスキ
テラスタイプ:あく
イリュージョン
のろい/かげうち/はたきおとす/シャドークロー
ようきAS252 H4(131-152-80-*-80-178)
配分意図
・S
ミラー等意識の最速
ランクマだとパッとしないこいつだが、このルールでは入れないと自分だけ一方的にゴースト技を乱打されることになるため、採用しないこと自体がディスアドとなるほどの入れ得ポケモン。出しても強いが、仮に1戦も出すつもりがなくてもとりあえず入れておけというレベル。※最終1位の構築は不採用なのでそうでもないかも
型は襷が余っていたので襷、技もテンプレの4つ。瓦割りが欲しい時もあるが、呪いの汎用性には勝てない。影打ちで襷を潰されることがなく、襷枠としては頭一つ抜けている。環境的にステロが少ないのも追い風で、ノマテラ以外には基本殴り勝て、ノマテラは見てから呪い打って退場でいいので腐ることがほぼない。その上イリュージョンによる上振れ要素と、その万能感はさながらポケモンカードゲームサン&ムーン期のゾロアークGX。テラスに依存しないのも強く、ほぼ毎回出していた。元タイプが最大の強みなので、テラスタルは一度も切っていない。フェアリーなら勝ってたかもという試合が一度だけあったが、結果論なので気にしてはいけない。
初手に出すと同速勝負や各種ゾロアークメタに引っ掛かることが容易に想像できたため、出すときは必ず2番手で出していた。ミミッキュやサーフゴーに化け、じゃれorゴルラの威を借りてノマテラを牽制する動きが強い。サーフゴーの姿で呪いを打つと藁人形っぽくてオススメ。

ミミッキュ@いのちのたま
テラスタイプ:くさ
ばけのかわ
かげうち/くさわけ/シャドークロー/ウッドハンマー
いじっぱりAS252 H4(131-156-100-*-125-148)
配分意図
・S
ミラー意識の準速
草タイプミミッキュ。主にイダイトウ入りに出す。テラスでアクジェが半減になるのもあってイダイトウに滅法強く、ほとんどのイダイトウをこいつで葬ってきた。
ウッドハンマーはテラス択を回避できるばかりか、そもそもシャドークローより威力が高く、テラス込みならじゃれつくとも同等となり、命中まで加味すればじゃれつくを退けてメインウェポンとするに足る強力な技。
草分けは対面性能の底上げに一役買っており、予め積んでおけば相手の皮を確実に剥げるほか、ゾロアークやブエナでないカミなどに対して安定択となる。あとテラスタルの威力補正を活かしている気になれて気分がいい。

レイスポス@こだわりスカーフ
テラスタイプ:あく
くろのいななき
バークアウト/みがわり/シャドーボール/あくのはどう
ひかえめCS252 B4(175-*-81-216-100-182)
配分意図
・HB
悪テラス時、身代わりが152シャドークローを14/16耐え
・C
ギリギリなので特化(テラスあくのはどうで157-129ミカルゲが92.18%の乱数2発)
・S
最速ゾロアーク近辺意識の準速
悪タイプレイスポス。悪テラスで実質悪波がシャドボとなり、いななきが合わされば眼鏡シャドボに化ける。シャドボと悪波以外の技はなんでもいいので、身代わり貫通が活きるかもしれないバクアと、スカーフを叩かれた後に使えるかもしれない身代わり。結局どちらも打たなかった。なんならシャドボも2回ぐらいしか打ってない。
スカーフゲンガーを上から潰しつつ、後続にも+1の悪技で負担をかけられる点を評価しての採用だったが、冷静に考えると呪われボディで終わってることに気付いた。前日だったのでどうしようもなく、毎回3割引かない読みで初手テラス切っていた。1回引いて焦ったが、裏から来たのがミミッキュだったので、どうせ変わらんと思って悪足掻きしたらレッドカードで解除されてウマーとなった。

サーフゴー@ものまねハーブ
テラスタイプ:ほのお
おうごんのからだ
わるだくみ/シャドーボール/ゴールドラッシュ/じこさいせい
ひかえめH244 B4 C4 D4 S252(193-*-116-169-112-136)
配分意図
・HB
炎テラス時、156シャドークロー3耐え
・HD
203シャドーボール15/16耐え
・C
+2シャドーボール(等倍)で194-157サーフゴーを2発
+2ゴールドラッシュ(等倍)で194-118サーフゴーまで1発
・S
ミラー意識の準速、イダイトウ・ソウブレイズも大体抜ける
おもちゃポケモンその1。地球上で一人しか使ってない自信がある。流行りのアッキorタラプサーフゴーをメタるにあたり、当初は自己暗示でどうにかできないかと考えていたのだが、出場可能な中で自己暗示を覚えるポケモンがいない&そもそも黄金の体に自己暗示が無効と知り諦めかけていたところ、ものまねハーブの存在に思い至る。
思い付いたときは我ながら天才だと思ったが、パーティに見た目サーフゴーに弱そうなポケモンがあまりいないためか、あまりサーフゴーが出て来ず腐り気味だった。一応、後述のカミがサーフゴーに隙を見せるため、セットで選出すれば巧みに合わせて投げやすく、少ないながらもコピーに成功した試合は全て勝つことができた。
テラスは炎・鋼・妖という重要な3タイプを半減できる炎。コピーに成功してもテラス読み+2ゴルラで飛ばされては話にならないため、鋼耐性維持はマストとなる。水だと妖の代わりに水を半減できるが、イダイトウはお墓参りがある関係上、B振りでなく電磁波もないこいつで相手するのは得策ではなく、それよりはミミカミに強くなれる方がいいと考え炎とした。

ハバタクカミ@ゴツゴツメット
テラスタイプ:ノーマル
こだいかっせい(ソウブレイズ以外特性固定ばかりでこの欄作った甲斐がない)
あまえる/でんじは/ムーンフォース/たたりめ
おくびょうH196 B252 S60(155-*-107-155-155-179)
配分意図
・HB
対ミミッキュのため可能な限り高く
・HD
187テラス眼鏡ムーンフォース耐え
・C
ムーンフォース+ゴツメで131-80ゾロアークを10/16で落とす
異常たたりめで217-111コノヨザルを10/16で落とす
異常たたりめで146-156までのハバタクカミを1発
・S
最速ゾロアーク+1
おもちゃポケモンその2。ゾロアーク・ミミッキュに対する行動保障のなさ・イリュージョンとの相性の悪さからあまり構築に入れたいポケモンではなかったが、ソウブレイズが苦手なヤミラミ・ミカルゲ入りに対して初手を安定させるため採用せざるを得なかった。とはいえ入れる以上は最低限ゾロミミッキュとやり合えてほしいので、HBの甘えるゴツメで無理矢理相打ちに持っていけるようにした。
技構成はミミッキュに役割を持たせる甘える(後述)、無効のない汎用打点ムーンフォース、幅広い起点回避の電磁波、ミラーその他での上振れ要素として祟り目。祟り目はかなり適当に入れたのだが思いの外強く、そもそも麻痺ったポケモンにテラスを切るというのが並の神経では不可能なため、テラスを気にせず打てるゴースト技ということで使い勝手は非常に良かった。封印カミにも強い。テラスは一度も切っていない。
ブエナじゃないのでゾロアーク読みをされやすいこともあり、渋々入れた割には結構活躍したのだが、本構築で唯一命中不安技を抱えたポケモンでもあるため(バクアは1回も打ってないからノーカン)、過信しないように気をつけていた。その割には2回外して負けた。なぜだ。
付録:対ミミッキュのダメージ計算、()は珠込み
・156じゃれつく
-2 45(58)
・156シャドークロー
-2 72(93)
-4 48(62)
-6 38(49)
・156かげうち
-2 42(54)
-4 30(39)
-6 24(31)
case1:珠でない場合
甘える→じゃれ→ムンフォ→シャドクロ→影→ムンフォの流れで、最大159ダメージ(瀕死率0.43%)受けながら突破可能。
case2:珠の場合
甘える→じゃれ→甘える→シャドクロ→影で最大159ダメージ(瀕死率0.17%)、耐えればゴツメと珠が4回入って相打ち。
甘える→じゃれ→甘える→シャドクロ→甘える→シャドクロで最大169ダメージ(瀕死率37.42%)、耐えればゴツメと珠が4回入って相打ち。
見てわかる通りかなりギリギリだし、何よりシャドクロが急所技という事実から目を逸らした机上論戦法だが、ミミッキュが言うほど初手に来ないこと、陽気もいること、最悪皮だけ剥げば裏のゾロアークで処理できることを踏まえ採用に踏み切った。そもそもこいつの本題はミミッキュに勝つことではなく、ミミッキュ入りにも恐れずに選出できるようにすることである。実のところ本番でこいつがミミッキュと対峙することは一度もなく、結果的には取り越し苦労であったわけだが、ミミッキュにも最低限抗えるという信頼が選出率に貢献していたのは事実であり、無駄な調整だったとは考えていない。甘えるも対ソウブレイズやミカルゲで大いに機能した。
選出
ソウブレゾロミミッキュが基本選出。初手ソウブレイズで数的優位を取り、ゾロアークでリードを維持しつつミミッキュで締めるのが理想。ゾロミミッキュは後発でしか出さない。ヤミラミ・ミカルゲがいる場合はカミ先発。ゲンガーにはレイスポス。サフゴ入りには裏にサフゴを置きたいが、イダイトウがいる場合はミミッキュ優先。
ドラパルトは気分。鋼の顔してたらソウブレ、悪ならカミ。
ラウドボーンが難しくて、ソウブレを止めてくるのでできればカミから入りたいが、そういう動きをしてくるラウドボーンに全然当たらず、甘えた初手ソウブレもよくしていた。
選出率はこう。
・ソウブレイズ 30/41(うち先発18)
・ゾロアーク 35/41(先発0)
・ミミッキュ 24/41(先発0)
・レイスポス 9/41(うち先発7)
・サーフゴー 10/41(先発0)
・ハバタクカミ 15/41(すべて先発)
重いポケモン
・ラウドボーン
上位で流行っていた電テララウドボーンが非常に重く、事前の仲間大会では薄々強いと感じつつも、あまり数がいなかったため切ってしまっていた。対策としてはミミッキュに呪いを入れる、ソウブレイズに道連れを入れる、サーフゴーに金属音を入れるの3択だったと思う。ただどれも確実性の面で疑問符が付くこと、3体とも有用な技ばかりで枠がないことを考慮すると、自分の構築センスでは入れる勇気は出なかっただろうと考えている。
・レイスポス
相手に使われることをすっかり忘れていた。ソウブレではシャドボを耐えられず、カミもなぜか抜かれてるので非常に苦しい。初手シャドボ(orテラス悪波)を事故と割り切りソウブレから入るか、電磁波当てる前提でカミかみたいな運ゲーを何度か強いられた。
・アノホラグサ
追い風回避バトンアノホラグサに1敗。どうすればいいのこいつ。
感想
このルールにおいて交代ボタンは死と同義と考えていたため、とにかく出し負けしないこと、1体倒した後起点にならないことを意識して構築を組んだ。結果、ほぼ全員がアドを取る性能かアドを取らせない性能のどちらかを備えた、かなり綺麗な対面構築ができたと自負している。反面、思考が対面に寄りすぎて、詰ませ系のポケモンに対して甘くなってしまったという反省もある(サイクルが環境に存在しない以上、崩し特化のようなポケモンを採用するわけにもいかないので難しいところだが…)。
結果としては満足のいく成績だったし、自分で考えた型が狙い通りにハマる快感を何度も味わえて、未開拓のメタゲームの面白さを実感できた。多分これ以上続けると電気ラウドミラーが多発し、更にそれを出し抜く地面ラウド~みたいなクソゲーになると思う。次また面白そうなルールがあったら積極的に参加したい。
余談
世のポケモンプレイヤー構築記事書くの速すぎません?