Agent of Divinity

ポケモンのクイズと特殊ルール

【天候1on1】3位使用構築

 

↑こいつは出られない

 

 

前置き

仲間大会「天候1on1」に参加した。結果は12勝5敗、3/35位。かなり力を入れて考察したので記事に残しておく。


ルールは天候始動特性持ち(下記)しか使えないシングル31。種族被り・持ち物被りあり。テラスタルなし。実際に使う個体は天候特性でなくともよい。

 

・使用可能
キュウコン(ロコン)
Aキュウコン(Aロコン)
ニョロトノ
バンギラス
ペリッパー
コータス
カバルドン(ヒポポタス)
ユキノオー(ユキカブリ)

・禁止
カイオーガ
グラードン
サダイジャ
コライドン

・入国禁止
リザードン
レックウザ
ギガイアス
バイバニラ
アマルルガ

 

 

環境考察

・天候以外に有用な特性がほとんどなく、基本天候ばかりになるはず

・天候は遅い方に優先権があるが、その分上から殴られるリスクが増えるため、一概に遅い方が強いとも言えない

・互いに弱点を突き合える対面が多く、弱点保険が幅を利かせそう

・思考停止まもしばキュウコン/滅びトノが要対策

・程度の差はあれどペリッパー以外はどれも採用理由を見出すことができ、31ルールなことも相まって、見た目よりバラエティに富んだ環境になると予想

 

実際の使用率

 


構築経緯

並びはこう


31で勝率を上げるには選出択を減らすことが鍵になるので、ピンポメタのポケモンは極力避けたい。逆に、1匹で相手の3匹全部を見ることができれば、その試合は勝ったも同然になる。したがって、環境に多い並びを予測し、並び単位でメタを張る必要がある。

メタ対象を考えるにあたって、当初は種族値がズバ抜けていて技も豊富なバンギラスが最強で、数も最も多いと考えていた。しかし考察を進めるうち、徐々にバンギラスの抱える不安要素(4倍弱点、技スペ不足、弱保ケアのしづらさ、etc)が浮き彫りになり、代わってユキノオーの優秀さが目につき始める。最終的な勝ち馬はユキノオーと判断し、低レート帯ではバンギラス@2、高レートではユキノオー@2のような構築が多くなると結論付けた。

そこでまず、バンギラスユキノオーのいずれかに勝てるポケモンをリストアップ。その後各ポケモンが他に見れる範囲を見比べて採用候補を絞ってゆき、最終的にバンギラスメタのユキノオーカバルドンユキノオーメタのキュウコンという3匹に落ち着いた。バンギ・ノオーの両方に一貫するポケモンがいれば理想だったが、結局最後まで見つけられなかった。いたらいたでそいつがトップメタになるはずなので、そういうものと割り切っている。

 

個別解説

採用順に解説。



 


(雪の天気記号)


ユキノオー@イアのみ
ゆきふらし
こおりのつぶて/ギガドレイン/くさむすび/リーフストーム
れいせいH124 B140 C244(181-112-113-157-105-58)

配分意図
・HB
雪下204鉢巻ロックブラスト4発がイア込みで瀕死率0.59%
砂下180ほのおのキバ13/16耐え

・C
ギリギリなのでほぼ特化(121バンギラスニョロトノへのリーフストームが192~、215-139-93チョッキカバルドンリーフストーム+こおりのつぶてで瀕死率78.9%)

・S
最遅バンギラス-1


バンギラスに安定して勝つ方法を模索し辿り着いたポケモン。最遅にすることでバンギ相手に雪状態を保持しつつ、こちらは礫で一方的に襷潰しが可能。主にバンギ+トノやバンギ+カバに出していく。

当初はAC@襷のけたぐり礫でバンギラスを倒そうと考えていたが、C振りのリフスト礫でもHバンギラスを倒せると判明。Aに割いていた分を耐久に回してみたところ、混乱実を持たせれば襷に頼らずともほとんどのバンギラス相手に行動保障を得られるとわかり、この時点でAC@襷かHBC@イアの2択となる。前者の主な負け筋は鉢巻ロクブラとヨプ、後者はリフスト外しと放射。最終的にリフスト外しよりも鉢巻の方が遭遇率が高いと判断。放射は最メジャー型であろう襷に勝てないのでいないと考え、後者を採用した。イアの恩恵は対バンギラスにとどまらず、ノオー抜かれチョッキカバの炎牙+砂ダメを耐えるのにも役立つ。

結果からいえば鉢巻(9.1%)<リフスト外し(10%)<放射(16.4%)で丸っきり予想と逆になってしまった。バンギトノカバが多いという予想は当たっていたので、素直に襷にしておけばもう少し勝てたと思うと惜しい。

技構成に関して。コンセプト上リフスト礫は確定で、他に候補となるのは吹雪、瓦割り、ハードプレス、絶対零度だが、吹雪はミラーでしか打たない上に最遅なのでどのみち望み薄、瓦割りもベールに強いと見せかけて弱保ノオーだと結局負け、ハードプレスもキュウコンを落とせるわけではないので弱保に勝てず、零度もS振ってないコータスに3割ゲームができるだけと、どれも大した価値を見出せなかったため、それなら命中安定の草技でトノカバの勝率を上げたほうが賢いと判断し、怒涛の草技3色ユキノオーが誕生した。


相性関係
キュウコン
無理

・Aキュウコン
無理

ニョロトノ
余程変な型でない限りリフスト礫かリフストギガドレで勝ち

バンギラス
鉢巻ロクブラ5発→負け
放射、鉄球、チョッキ、リンド→負け
それ以外→リフスト礫で勝ち

ペリッパー
暴風は負け、エアスラならギガドレ回復込みでワンチャン

コータス
負け

カバルドン
S負けてる→弱保ケアでリフスト礫、当てれば勝ち
S勝ってる→チョッキ(か襷)濃厚なので結び結びで勝ち

ユキノオー
ほぼ負け





(砂塵嵐の天気記号)


カバルドンじゃくてんほけん
すなおこし
のろい/じならし/ヘビーボンバー/じしん
いじっぱりA236 D132 S140(183-178-138-*-109-85)

配分意図
・HD
110ニョロトノの雨なみのり耐え
133アローラキュウコンのふぶき耐え

・A
じしんで215-139カバルドンを3発
雪下じしん+ベール下ヘビーボンバーで180-96アローラキュウコンを落とす

・S
じならしで最速バンギラス+3(ミラー意識)


バンギラス2枚目の駒。ニョロトノカバルドンに薄い代わりに、ユキノオーの苦手な両キュウコンに強めで、バンギ+キュウコンのような並びに投げていける。襷バンギラスを考慮すると地均しは必須で、キュウコンに勝つためのヘビボンも確定。あとは入れる技が思いつかず、申し訳程度のニョロトノ対策として呪いを積んでおいた。鉄球トノは抜けないが、滅びならイバンかオボンが基本のはずなので大丈夫だろう(鉄球採用は25.5%で1位)。


相性関係
キュウコン(初手:地均し)
まもしば、みがしば→地均し地震で勝ち
鬼火弱保→地均しで抜ければ勝ち、それ以外は負け
風船→知らん

・Aキュウコン(初手:地震)
フリドラ→弱保地震で勝ち
雪景色→地震ヘビボンで大体勝ち
まもしば→地震ヘビボンで勝ち
眼鏡冷ビ→無理

ニョロトノ(初手:地震)
上から水技→眼鏡orB振り以外勝ち
上から雨乞い→負け
下から水技→負け
下から滅び→地震連打からのラストターンに呪いで勝ち

バンギラス(初手:地均し)
鉄壁弱保冷ビ→負け
弱保雪雪崩→負け
それ以外→地均し+地震で勝ち

ペリッパー
無理

コータス
地震急所で勝ち

カバルドン(初手:地震)
地震→大体抜いてるはずなので地震3発で勝ち
呪い→こちらも呪いを積んで五分に戻す
地割れ→かわせ

ユキノオー
無理





(快晴の天気記号)

キュウコン@ふうせん
もらいび
わるだくみ/サイコショック/かえんほうしゃ/オーバーヒート
ひかえめCS252 H4(149-*-95-146-120-152)

配分意図
・C
オーバーヒートで180-121アローラキュウコンを1発
+2サイコショックで180-96キュウコンを2発
+2晴れかえんほうしゃで177-91殻破コータスを1発
+2晴れオーバーヒートで177-91コータスを15/16で落とす
+2オーバーヒートで183-124カバルドンを11/16で落とす

・S
ミラー意識の準速、準速封じカバルドンに抜かれない


ユキノオーに明確な有利が付くほぼ唯一のポケモンアローラキュウコンでもユキノオーに勝つことはできるが、対キュウコンコータスを考慮し原種を選択。

さてこのキュウコンというポケモン種族値・技ともに貧弱な上、無駄に速いせいで天候の取り合いにも弱く、おまけにトップメタのバンギラス含めほとんどのポケモンにタイプ上不利を取る。そのため仮にキュウコンが選出画面にいても、「どうせ見せポケ」と舐めくさってキュウコン切った選出をされると思ったので、逆にキュウコンをガンガン出していくことで相手の裏をかけると判断した(見せポケ臭をさらに強めるべく左上に置いた)。

キュウコン出すと決めたはいいものの、ノオーメタとしては地震+礫耐えができればあとは何でもよく、逆に構成で悩むことになった。初めは弱点保険で考えていたが、弱保発動のチャンスが甘える/瞑想→地面技しか想定できず、それなら風船+悪巧みでよくね?と気付く。風船+貰い火で大体のキュウコンコータスを完封でき、同じ考えの相手には巧みサイコショック咎めていく。弱保に引っかからず瞑想も貫通できるので、よほどのことがない限りミラーでは負けない。上2体で重いコータスに対してもほぼ完璧な回答となり、構築のラストピースとしてピタリとはまる存在になった。

結果は選出率1位、選出時勝率6/8と思った以上に活躍した。キュウコンミラーは一度も起こらなかったが、コータスは一見こちらの構築に刺さってることもあり、面白いようにハメ殺せた。ちなみにランキングを見る限り、原種キュウコンは大会全体で延べ11回しか選出されておらず、うち8回が自分なのでそりゃ当たらないわけである。サイコショックとはなんだったのか。


相性関係
キュウコン(初手:巧み)
大体上取ってるはずなので+2ショック2発で勝ち

・Aキュウコン(初手:放射)
まもしば、みがしば→オバヒで勝ち
弱保→ムンフォ+弱保ムンフォを耐えて放射で勝ち
雨乞いウェザボ→知らん

ニョロトノ
無理

バンギラス
無理

ペリッパー
無理

コータス(初手:巧み)
ソラビ大地→耐えて+2放射2発で勝ち
殻破原始→耐えて+2放射で勝ち
原始→眼鏡でも耐えて+2オバヒでほぼ勝ち

カバルドン(初手:巧み)
チョッキ、襷→負け
それ以外→+2オバヒでほぼ勝ち

ユキノオー
放射2発で勝ち

 

 

選出

序盤は全部の構築にバンギラスがいるものと考え、バンギに強いユキノオーカバルドンのうち刺さっている方を投げられるようにした。ノオー入りには基本キュウコンを投げていくが、バンギ+ノオーの場合は選出択になる。コータス入りは残り2匹を無視気味にキュウコン。再戦以外は全員コータスを出してきた。
カバルドンはバンギ+キュウコンに出す予定だったものの、原種キュウコンがほぼおらず、アロキュウ入りはなぜかバンギ抜きばかりだったので、一人だけ極端に出す機会がなくなってしまった。型はそれなりにいけてる自信があったので、活躍させてやれなくて悲しい。

選出率

ユキノオー 7/17 3敗:放射バンギ、物理珠ノオー、コータス(再戦)
カバルドン 2/17 0敗
キュウコン 8/17 2敗:あくまもカバルドンペリッパー


重いポケモン

ペリッパー:絶対にいないと思って切った。4/17も当たってキレた。



感想

3位という中々の順位を残すことができた。告知から期間が長かったので、構築をじっくり煮詰められたのがよかったと思う。最大の反省は、試合回数を余らせてしまったこと。周りのレートが上がるのを待ってから潜ろうとしたのだが、待ち過ぎて人がほとんどいなくなり、再戦連発からの選出ジャンケンが怖くて17戦で引き揚げてしまった。

ルール自体は考えれば考えるほど奥が深く、公式でもやってほしいぐらいの面白さでとても楽しめた。名ルールを編み出してくれた主催の方に感謝。